ビタミンやミネラルが豊富なオートミールは、食べてよし、つけてよしの優れ食材。
オートミールの原料であるオーツ麦は、古い角質を取り除き、皮膚のバリア機能を強化して保湿し、乾燥やかゆみといったトラブルを改善するといった効能が科学的に証明されています。
日本ではほとんど定着していませんが、海外ではすでに、オートミールを原料にした石けんや入浴剤が数多く存在しています。
美意識の高い韓国でも、オートミールのシートマスクやフェイスパックが人気です。
今回は、オートミールの肌を健やかに保つ効能について解説します。
オートミールはオーツ麦を加工したもので、オーツ麦の栄養がほぼそのまま含まれています。ここでいうオートミールは、正確にはオーツ麦を粉砕した粉末を指します。
オーツ麦の美肌効果が科学的に明らかになりはじめたのは1930年代のことですが、オーツ麦の粉末がスキンケアに最初に使われたのは、紀元前2000年頃のアラビア半島およびエジプト地域といわれています。オーツ麦の粉末は肌をなめらかにし、乾燥やかゆみ、炎症を軽減するという記録が残っているそうです。
古代ローマの医学書には、オーツ麦の粉末がさまざまな皮膚トラブルの治癒剤になることが書かれています。「薬物誌」をまとめた、薬草学の父といわれる医師ペダニウス・ディオスコリデスは、オーツ麦が肌の乾燥を防ぐ治癒効果があると記しました。
オートミールのスキンケアの効能とは?
オートミールの原料であるオーツ麦は、皮膚に有効な成分が多く含まれています。
1990年代、オーツ麦の美容効果の研究が盛んに行われ、次々とスキンケアの効能が明らかになってきました。
2003年には、オーツ麦を粉末にしたコロイド状オートミールが、皮膚の保護成分として、米国食品医薬品局(FDA)に認証されました。
コロイド状オートミールは、FDAに認められた、数少ない天然由来のスキンケア成分のひとつで、クリームやローションをはじめ、ボディソープ、シャンプー、入浴剤といったさまざまな製品に使われています。
オーツ麦の肌にとって重要な成分は、フェノール類、βグルカン、リグナン、アベナンスラミド、ビタミンEなどです。
これらの成分のおかげで、オートミールには次のような美肌効果があります。
皮膚のバリア機能を強化する
オーツ麦に含まれるオーツ麦βグルカンは優れた保水性があり、肌の角質層に十分な水分を運び、長時間水分を補給します。そのため、シワを減らし、肌の弾力を高め、皮膚再生を促進することがわかってきました。
乾燥肌や荒れた肌を改善し、肌を柔らかくなめらかにする
保湿力が高く、乾燥から肌を守ります。
炎症やかゆみを抑える
オーツ麦特有のポリフェノールであるアベナンスラミドはかゆみを和らげる作用があります。
抗酸化作用があり、老化を遅くする
オーツ麦に含まれるフェノール類のフェルラ酸およびカフェ酸は強い抗酸化作用を持ち、また、ビタミンEも活性酸素を取り除く働きがあり、しみやしわなどの肌の老化を遅くする効果が期待できます。
紫外線から肌を守る
フェルラ酸と、ポリフェノールの一種であるフラボノイドは、紫外線を吸収する作用を有しています。
穏やかなクレンジング効果で汚れや皮脂を取り除く
石けんのように汚れを落とす作用で知られるサポニンを含み、古い角質や毛穴の汚れを除去する働きが期待できます。
また、オーツ麦ペプチドにも、薄い膜のバリアで肌を守り、コラーゲンの再生を促す作用があることが発見されました。
オートミールは、アレルギーの可能性が低いといわれています。
安価ですぐに使うことができ、手作りスキンケアに最適です。
簡単なオートミールのパックやオートミールの乳液で日常のお手入れを楽しみましょう。
オートミールの簡単パックで透明感のある肌に
オートミールだけの簡単なパックですが、くすみを取り除く効果が期待できます。

潤い肌を作るオートミールとヨーグルトのパック
オートミールとヨーグルト、はちみつで作るパックは、乾燥した肌にうるおいを与えます。

傷んだ肌にオートミールとアルガンオイルの乳液
オートミールにアルガンオイルを加えた乳液は、肌荒れをやさしく修復する効果が期待できます。

