オートミールの発祥地のひとつイギリスには、オートミールを使った伝統的な料理やお菓子がいくつかあります。
日本で最近考案されているオートミールのアレンジ料理は新鮮ですが、エピソードつきのイギリス郷土料理を味わってみるのも楽しいでしょう。
今回は、オートミールで作るイギリス伝統料理を7つピックアップしました。
オートミールはイギリスのローカルフード。定番朝食として知られています。
もともとイギリスやスコットランド、アイルランドでは、オーツ麦のおかゆ(ポリッジ)を朝食として食べていました。
これが、オートミールのはじまりといえます。
イギリス人たちは、移民した先のアメリカ大陸でもオーツ麦を栽培し、やがてそのアメリカで、オーツ麦を加工したロールドオーツ(日本で知られるオートミール)が誕生したのです。
オーツ麦より調理時間がかからないロールドオーツ(オートミール)は、世界各国に広がり、イギリスでも普及していきます。
2022年9月8日に96歳で亡くなった、エリザベス女王もオートミールがお好きだったそうです。
第三子(アンドルー王子)の出産を間近にひかえた1960年2月の日本の新聞には、次のように書かれています。
侍医のすすめる産婦のための特殊の運動を毎日規則正しく行っているし、食物も常食の牛乳、卵、バター、チーズ、および果物に加えて多量のオートミールを摂取しているので、オートミールさんというアダ名がついているとさえ伝えられている。
最近の記事でも、エリザベス女王は朝食にシリアルと果物を食べることが多いとあり、オートミールもそのシリアルのひとつ。

イギリスの新聞報道によると、2017年にギネスブックで世界一高齢家族に輝いた、アイルランドのー家は、「長生きの秘訣はオートミール」と明かしたそうです。
エリザベス女王がお元気だったのも、オートミールを食べていたからかもしれませんね。

朝食の温かいシリアルとして知られているオートミールですが、イギリスでは、朝食以外にも、オートミールをお菓子や料理に使います。
日本でも手軽に作ることができるので、試してみませんか?
オートミール使った伝統的なレシピ
オートミールを使ったイギリスの伝統料理は、シンプルで素朴な味。
特に、お菓子にまつわるエピソードが興味深いです。
フラップジャック
イギリスでオートミールのお菓子として最も知られているのは、フラップジャック。
オートミールにナッツやドライフルーツを混ぜて焼いた、ちょっと固いケーキのようなスイーツです。
オックスフォード英語辞典によると、フラップジャックというお菓子の名は、16世紀初頭から使われていたそうです。
小麦粉も卵も使わない、バターの風味豊かなお菓子は、ミルクティーによく合います。
レシピ「フラップジャック|オートミールのイギリス国民的お菓子」
ピーナッツバターのフラップジャック
フラップジャックのアレンジ版です。
バターの代わりにピーナッツバターを使いました。
焼かないで冷やすだけ。忙しい人にうれしい、簡単レシピです。
ヨークシャー・パーキン
ヨークシャー・パーキンは、黒蜜とジンジャー入りのオートミールの焼き菓子。
11月5日のガイ・フォークス・ナイトに食べるイギリスのお菓子です。
ガイ・フォークス・ナイトとは、1605年にイングランドで起きた火薬陰謀事件にちなんだお祭り。
詳しくはレシピのサイトで。
オートミール入りスコーン
イギリスの紅茶のおともに欠かせないのが、スコーン。
基本のスコーンにオートミールを入れたアレンジは、イギリスの料理家マルグリート・パットンさんのレシピを参考にしました。
レシピ「オートミールのスコーン|イギリス伝統お菓子の作り方」
アップルクランブル
イギリスの家庭の味、りんごのお菓子です。
クランブルはイギリスやアイルランドの伝統料理。
小麦粉とバターなどを混ぜて、果物や肉、野菜にトッピングしてオーブンで焼きあげます。
オートミールを加えて、サクサクに。
レシピ「オートミールのアップルクランブル|ヘルシーなスイーツ」
オートミールの野菜クランブル
野菜たっぷりのクランブル。
小麦粉の代わりにオートミールで作りました。
レシピ「オートミールの野菜クランブル|ヘルシーなイギリス料理」
オートミールのクリスマスプディング
オートミールを使った伝統料理ではありませんが、イギリスの伝統的なクリスマースケーキ、クリスマスプティングをアレンジ。
ドライフルーツがたっぷり入った、ずっしり濃厚なケーキです。
パン粉と薄力粉で作るのですが、オートミールに代えてみました。
レシピ「オートミールのクリスマスプディング|英国伝統お菓子」